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はんだ牛蒡ブログアーカイブ

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例年この時期は、お米の数量確定のための色選掛けで追われている。しかし今年はあの春まきゴボウの収穫がないし、一昨年までのことを思えばサトイモもなくなったのだから、もっとゆとりがあるはず!と期待していたのに、蓋を開けると今年も追われている。いろんなことが少しずつ手がかかっているからに他ならない。


雨の前に田んぼの管理がセーフだったと喜んだ一昨日も、田んぼと関係のない大豆畑のアメリカセンダングサ切りを3人で、実は午前中いっぱいやっていた。これは洪水由来


そしてイノシシ被害関連に毎日1時間くらいかけている。見回り以外にもごちょごちょと内緒ごともある。これらだって、3年くらい前まではまったく必要のなかったことだ。これらは人口減少由来か。


これから地域の人口はさらに大幅に減る。すでに田津地区の遊休地管理の手間が手に負えなくなり始めているように、今までになかった手間が徐々に増えていくことだろう。体力は徐々に衰えていくというのに。ゆでガエルにならないよう、今のうちによっぽど考えておかねばならない。


こんな状況下にあって、地域の世話役の人が昨日やってきて、うちの経営規模を増やす心づもりをしておいて欲しいと言ってこられた。うちは今、度重なる洪水被害により経営の縮小実験を数年かけてやり始めたばかりである。しかし地域や社会の事情を無視して、自分の都合ばかりで生きて行けるほど田舎暮らしは楽ではない。この界隈で私にしかできないこと、というのが現実にあるのだから、そこだけは担っていかねばならないということをもうずいぶん前から覚悟しているので、世話役氏の言葉にも驚くことはなかった。


地域の沈没は日本の沈没。この沈没が時代の自然現象であるのならまだしも、戦争に負けたばかりに課されているペナルティであるなら、なんと情けなく悔しいことか。解熱剤を飲んですら大したことがなくなったただの鼻風邪にビビっている場合ではないんだが。「お上教」信者は統一教会の信者たちとどう違うというのか。すっかり食い物にされてしまってることを憂い、悔しさの持って行き場がない。あまりの悔しさに、ただ今を凌ぐだけではつまらない、もっと積極的にムーブを起こしたいという願望だけが高まってくる。


負けたくないね。


# by tanboya3 | 2022-10-06 19:26 | 主張・提言・考え事

稲作後半の水管理

昨日の稲のネタついでに。農薬を必要としない稲の育て方については、水管理の方法もよく聞かれる。これもに農業者によって千差万別だからだろう。


田植えから1か月くらいの間については、苗の生育に合わせて水位を上げていき5~8cmを死守する、ということは、今時かなり広く周知されているようである。しかし中干後というか、生育後半についてはあまりこれという方法がない。


私が思うには、その時の根をできるだけ長く生かせる方法をとるというのが一番いい。生育中期の根が水に強い水根であるなら湛水管理で、乾燥に強い畑根であるなら節水管理で、収穫10日前まで通すということにつきる。多くの場合は中干をするから、この場合はだいたい中干後の根の状態で決めることになって、強く干して根が畑根に生え変わって入れば節水もしくは水を入れない、あまり干さずに水根が元気なままなら稲刈り前まで湛水や飽水で通す。


あとは湛水の仕方、節水の仕方。湛水だってかけ流しや押水管理もある。節水だって飽水やその加減がある。そこは田んぼの条件を見て考える。


よく耳にする、「水を遅くまで入れておかないと籾が充実しない」とか「水を入れなければ根が深く伸びる」というのは、部分的には事実であっても、再現性が微妙で明らかに本質的ではないと思う。


上記、もうちょっと正確に言うと、中干の時期による中干の程度を、まずはよくよく考えるべきだ。それによって中干で根が弱ってすでに水管理が虚しい場合もある。多分意外と多い。


関連でもう一つ言うと、「稲刈り後にひこばえが旺盛に生えてくる田は肥料分が残っている」というのも経験的にはウソじゃないかと思う。ひこばえが旺盛なのは根が元気だからという場合も明らかにある。


どんな田んぼにでもどんな管理にでも有効で、私が一番いいと思うのが、溝切機を使って中干時に深さ10cmくらいの溝を何条か沖に切る(排水口につなげる)、そして溝底に少し水が溜まっているような状態を稲刈りまで維持するという方法である。これを基本に田んぼの状況・条件次第で水を落としたり走らせたりする。これが出来れば鬼に金棒。こんな場合にはきっと地中を貫くようなタテ根が張っている。稲刈り後もすぐに田んぼが乾くという特典付き。


でもこの溝切りがかなり大変なのだ。労力的にもきついし、時間もかかるし、挙句上手く切るのが意外と難しい。15年も前は「信念でやる」と言い聞かせて1.5haの田んぼでやっていたものだが、今はとても無理。溝切機もすっかりお蔵入りしまった。

(2008年8月。畔際に溝が見える。16条置きに田んぼ全体に同様の溝を切っている。)



# by tanboya3 | 2022-10-05 19:22 | 作業・技術(水稲)

いや~、雨の前にやり切った。来年の田んぼの準備を。ひと雨来たらまた入れなくなるから意地でやったわ。でもこうやってまた体を損なうわけよ。わかっちゃいるけどどうにもならん。


具体的には、昨日からまずモアで稲株の粉砕。これは女房にかなりを頼んだ。


それからトラクターダンプで不陸直し、さっきまで稲わら堆肥用の稲わらの回収。車を入れるには雨前のこの一手。



最後にその跡の稲株粉砕。ここまでやれば、次は折を見てスタブルカルチでの耕うんになる。


スタブルカルチはできれば春までに2回かける。近いうちに1回、冬~春にどこかで1回。設定深は1回目が20cm、2回目が14cmが基本。でも時期によって圃場によって結構変える。これが近年で固まった春までの管理のパターン。これでガス湧きがなくなったし、クログワイが激減、というよりほぼなくなった。因果関係は分からんが、今のところもう数年はこれで行ってみてそのうち変えるつもり。


あ、これ湿田の方ね。乾田はまったく違う。

稲わら堆肥については、これは近年苦戦。一昨年仕込んだものは洪水で流されたし、昨年仕込んだものはイノシシでぐちゃぐちゃにされてしまった。仕込むのはそれなりに大変なのであまりに甲斐がなさすぎる。これは完全に土にしてから育苗培土の覆土に使う。目に見えるメリットは、田んぼの土でやるより草が少ないということ。あとは育苗中に程よく沈んでくれて、ポット苗でタブーの「根渡り」をしなくなることか。あとは今のところようわからん。


普及の視点からは、労力に見合うメリットが欲しいものだ。


# by tanboya3 | 2022-10-04 19:20 | 作業・技術(水稲)

エリザベス女王の葬儀には参列した天皇夫妻も含め誰もマスクをしないのに、安倍さんの葬儀では全員マスクをすることへの疑問は、どれだけの人が感じないのだろう。世界一マスクをしている国が、もはや世界有数の検査陽性者を出していることにどれだけの人が不思議さを抱かないのだろう。


マスクぐらい別にいいじゃん、と言う人。マスクがどれだけ日本の将来をゆがめていくかに若者、子供、赤ん坊にまで思いを致して想像を巡らそう。まずは周囲の目を気にしてマスクをするという人が頑張れ、そうでなれは次へ進まない。


「何かおかしくないか?」という感性と、「このまま行ったらどうなる?」という理性を大事にしてもらいたい。とりわけ子どもたちには。


そういうわけで、毎年複数件受け入れる小中高生の体験や授業などは、今はすべて「疑うことの大切さ」の視点でやることにしている。「世の中、マスコミ、専門家、大人は嘘つきばかり」と伝えることが最大のテーマ。疑う姿勢さえ身に着けてくれれば、あとは何とかなる、という思い。そして今年からギアを一つ上げた。私は、せっかくマニュアルや専門家の言うのと違う方法で曲がりなりにも成功している立場であるのだから、ここで一肌脱がないというのでは犯罪に等しい。そこまで思い詰めている。


あとはいつまでうちに来続けてくれるかということ。先生たちへの批判にもなっているわけだから、「先生ごめんなさい!もう止まらない!」と断りながらのパフォーマンスだけでさすがにすべてが丸く収まるとは思っていない。現代の教師の多くがただの板挟みとも聞くけれど、彼らだって人間だ。そしてもう一つ、それらの学校にまだうちの子が通っているという捻じれ。


春からの連続体験授業で小5が、9月は中1が2件で昨日で終わったと思ったところに、小2の話も昨日舞い込んできた。まさに息子のクラス。さあここではどうやろうか。先生たちには申し訳ないが、というより先生たちや学校にも何かのプラスになるという奇跡も期待して、この「疑うことの大切さ」の視点を外す気は今のところはない。


そして呆れられたらそれまでだ。仕方がないで済ますしかない。


ところで昨日気になったことが一つあった。実はテレビ取材の申し出があったらいしのだ。しかし断っていただくようお願いした。まさかマスコミさんの前でこのテーマでやるわけにはいかないから。申し出はどういう経緯だったかは知らないが、経緯によっては大変申し訳ないことをしていると悔む事情が実はある。しかしこの期に及んではこれもまた仕方がない。申し訳なさを押し殺して進むのみである。


# by tanboya3 | 2022-10-01 19:17 | 主張・提言・考え事

お米の調整作業が全力で進んでいる。いつものように、昼飯時も含めて常にラインを稼働させ、10分とか20分ごとに機械がピーピーと鳴るたびに処理をする。その間はデスクワークや、倉庫作業や弁当。だから初めのうちはロスもないのだが、デスクも倉庫もおおよそ片が付くと、さすがに暇になる。ちょうどい今からがそんな感じ。



そして毎日この作業ばかりをやってはいられない。田畑の作業だってある。それらをやるときは調整作業はできない。こんな感じでおおよそ実需者から要望のある10月中旬までに片を付ける。毎年なんとかしている。


しかしこの度。斑点米が多い。つまりカメムシなどの被害。これはこの地域の全体の傾向だと聞いた。これが多いので色彩選別機の能率が上がらない。自然栽培のロットも例にもれず、今年は参ったね・・などとそれでもまあ呑気にやっていたところ、ついさっきから有機のロットになったとたん、これがまあ酷い!



何だこれは。こうなるとうちの色選の能力だと1時間に2袋どまり。1日に10時間回したってたったの20袋。嘘だろ。何日かかるんだ。


繰り返すが田畑の作業がある。そちらは当然優先せざるを得ない。じゃあ、夜やるか。しかし仮に夜を3時間削って頑張ってもたったの6袋。5時間削っても10袋。まずいじゃん・・。


確かにこの夏は、畔を歩いているとやたらとカメムシを見かけた。対策としてしかるべき時期になるべく田んぼに近寄らない、ということしか農薬を振らない我々にはやることがない以上、この被害は当面は仕方のないことだと言える。


しかしねえ、下ノ原地区のころには斑点米なんてほぼなかったんだけどね。今田地区に来てからは常にこれだ。有機である以上、なかなか減ることは期待しにくい。ただ今田自体の何かが変わってくれないかね、と。


今日午前中の中1の授業で出た「辛いことは何ですか」の質問。何だかんだと言った後、人生はこの上もなくハッピーなんだけど日々はロクでもないのよと、そして「毎日のすべて」だと答えておいた。いかにも楽しそうに「すべてが辛い」と言う私を見て子供らは何を思うか。



# by tanboya3 | 2022-09-30 19:13 | 作業・技術(水稲)

およそ月1回更新。日々のブログは、http://handa-shizensaibai.com          


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