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洪水と共に歩む

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今年の田んぼ(2)

代かきについては諸説がある。掻きすぎずサッと済ませたほうがよいとか、練れば練るほどよいとか。また深さも18cmくらいがよいとか5cmくらいがよいとか。このことは田んぼの条件や、その後の管理の仕方によって正解が異なるのだろう。特にその後の管理の仕方、特に除草剤を使うかどうか、どんな肥料を使うのか、ということがとても大きいと思っている。

うちでは除草剤を使わずに、しかも草取りも一切せずに育てることを追求してきた。千葉での自己研修時代、全く草が生えないということが数枚の田んぼで起こり、それ以降一筋に求めてきた方向である。除草作業をしたのでは決して誰も真似しない、という気もあった。

そのための代かきとして、「ごく浅く耕し、1回目はガブガブ水で泥を舞い上げる代かき、2~3週間放置して雑草を発芽させて、田植え前に落水して練りこみ代かき」ということを実践してきた。これらは「上手くいくと」すばらしい効果があった。乳酸発酵させたボカシ肥料の秋のうちの散布と田植え時の米ぬか散布と合わせれば、草が生えない、生えても消えてしまう。だが「上手くいくと」と書いた。言うのは簡単だが上手くやるには様々な諸条件が必要で、しばしば脱線しかける。その都度気を使って、ときには労力も使って、気持ち的にはぎりぎりで上手くやってきた。

しかしこのたび限界を感じた。要因は大きく2つ。1つ目がまず田んぼが広いこと。1枚が4~6反ある。当然高低差があり、これは代かきによって数年すれば直すことはできるが、そのときは上に書いた狙った代かきにならないというジレンマになる。冬に直すこともできなくはないが、山陰の冬だ、田んぼも乾かないのでその気が起こらない。

2つ目は、手持ちの4m幅ハロー。この幅の広さが意外と欠点である。さすがに水平モードをONにせざるを得ないので、田面の高低差が少しあるだけで2度の代かきの両方が上手くいかない。特に田植え直前の代かきが難しい。さらにハローは折りたたみ式で、折りたたみ部分と中央付近のチェーンケース部分の計3ヶ所に爪がついていない。この3箇所の扱いにはずいぶんと苦戦している。結果的に何度も何度も土を練って練りすぎのような状態になっている。大きなトラクターで何度も走るのもどうなのか。これらの状態が稲にとっては良いのか悪いのか。

うちの農地は今後、圃場整備後の田んぼが増える。高低差が極端にある田んぼの代かきばかりということになるだろう。また面積が増えれば代かきで精神的に苦戦していては身が持つまい。何といってもこの時期の主役は畑、牛蒡の雑草対策である。ここらで田んぼは全般に今のやり方を見直す必要がある、と思った次第。

次回以降に。
by tanboya3 | 2010-06-30 17:37 | 作業・技術(水稲)

今年の田んぼ

今年はいつの間にか田植えが始まり、終わった。面積を1割あまり減らしたこともあるが、田んぼの枚数自体が4枚減った。これが大きい。そして苗がまずまずの出来だったことがある。苗運びの要領を大きく工夫したこともあり、どんどん運べばよかった。それと今年から有機栽培に熱心な仲間ができたが、全体の半分の面積で彼が苗運びを要領よく手伝ってくれたことが非常に助かった。

苗がまずまずだったと言ったが、やはりこれは重要なことだ。不満は田植え時の苗丈が低かったこと。理由として播種時期の遅れと今年の寒さのことを真っ先に思いつくが、実はそれ以外の原因が大きかったと考えている。

それは苗箱と地面の密着の程度。このことはテキメンに相関が出た。今年は始めての地区で苗立てをしたが、用水の事情が例年と違って、夜間に止まってしまった。これは想定外だった。そのため代かきをしなかった苗代では、朝にはすっかり水が沁み込んで畑のようになってしまう。早朝からどばっと入水すればまだマシだったろうが、何度も田んぼへ来ているわけにも行かないので、夕方に適正水位より若干深い程度になることを想定た量でチョロチョロと水を入れ始める。結果、苗箱が密着していない部分の苗の根が地面に届かない時間が長くなる。まるで畑の育苗で失敗したときのような感じでいじけている苗がかなりあった。

「良い苗」についてはいろいろな説があるが、私の経験では小さな分けつを出し始めているような苗がもっとも本田での生育が良い。コナギが少々あっても育ってくれる。そのような苗は当然苗丈が高いから水管理も楽である。広い田んぼでは高低差がつきものだが、気にせず高いところを基準に水深の管理ができる。水深が少々深くなってもむしろよく成長するようである。うちのようにコシヒカリを6月に入って田植えする場合、このことはとても大きい問題だろう。

良い苗を植えたか、いまいちの苗を植えたかは田んぼごとでかなり差がある。混ぜれば良さそうなものではあるが、このほうがあとの管理がしやすいのでいつもそうなってしまう。

そして雑草はというと、抑草に失敗したと断定した田んぼが多かった。この原因も良く分かっているつもりで、全ては以前に書いたサブソイラが元凶だ。このため舞い上げる代かきが上手くいかず、田植え同時の米ぬかペレットも撒けなかった。ついでに言うと田植えにとても難儀をした。後輪が土を舞い上げて田植え機の走行に時間がかかった。ペレットを撒く分の手間がなくなって極端に気にはならなかったが、ひっくり返りそうになったことが1度あったこともあり別の部分でくたびれた。

しかし今回、いつもの代かきが満足にできなかったことと、ペレットが撒けなかったこと、圃場整備直後の最大高低差が15cmある58aの田んぼで無肥料の栽培に挑戦していることで、大きなヒントを得る事ができた。それについては次回以降に。
by tanboya3 | 2010-06-28 17:37 | 作業・技術(水稲)

未明から増水の騒ぎ

今、早朝の5:30。まだ暗いうちから一騒ぎだった。江の川の増水。とりあえず一息ついた。また6:00頃様子を見に行くため事務所に戻って休憩しているところだ。

夜中、防災無線がここより上流の浜原ダムの放水量を伝えてくれる。しかし我が家の無線機は最近調子が悪く放送が聞こえないときがある。昼間であればテレホンサービスでむしろ詳細を聞けるのでいいが、夜中は厄介だ。今夜も家中の無線は鳴らず、外からの放送が何となく聞こえてきて目が覚めた。

聞き取れないので、この時期枕元に置いている携帯でサービスにかける。そしたらなんと「毎秒1900トン」と言っているではないか!大体何トンで畑が浸かるのだったかちょっと自信がなくなった。1500?1800?2000?そして真っ先に浸かるところに乗用車より高価な管理機を置いている。大急ぎで着替えて寝ている女房に一言だけ伝えて家を出た。

車をぶっ飛ばしながら考えた。それにしても無線放送が聞こえんかったな。急激に増えてこれが1回目の放送だろうか。管理機を置いている場所は何トンで浸かるのだったか。ダムからここまで2時間くらいの時間差があるから、もし1000トンあまりで浸かるんだったら微妙だな。でもそうならきっと誰かその地区にいる親戚が電話を鳴らしてくれたはず。大丈夫、大丈夫・・・。

さてどんな順番でやるか。畑に置いてある機械は全部で5台。まずは管理機を上げることが先決。次は牛蒡の収穫中の畑においている1トン車。これは4輪駆動のくせに少しのぬかるみでスタックする。これを今のうちに出しておこう。いやもしかするともう出ないかもしれない。そのときはトラクターで引っ張ることになり誰かもう1人必要だが、親戚の家の裏だし緊急なのでこんな暗いうちでも手伝ってくれるだろう。そして牛蒡のコンテナの回収、牛蒡の葉っぱを切る機械の回送。トラクターの回送。農道はきっとぬかるんでいる、慌てず慎重に走らねば。いや待てよ、今収穫中の牛蒡畑が浸かったときのことを考えて、今のうちに葉っぱを全部切っておくべきではないか。そうすれば泥が溜まっても畑さえ乾けば収穫作業のための普及が早い。そういえば燃料を切らせていたな。ちょうど今雨が降っていない。雨が降り出したら給油が面倒だ。川の水位を確認したら燃料缶と、そうだ合羽と念の為に田んぼ作業用の足袋を取りに戻ろう・・・。

対岸のT地区へかかる橋に到着し、そこから水位を確認する。まだ暗くてよく見えんが、???。いつもの中州が見えてるぞ?なんだこれは。サービスに電話してみる。2000トンを越えている。急に増えたのだ。しかし更に上流の三次ダムの放水量はさっき聞いたときよりわずかながら減っている。そして畑に降りて見ると水溜りがほとんどない。ダムから下流域ではあまり雨が降っていないようだ。最悪の事態にはならなそうである。

とりあえず余裕があるので、順序を変更して1トン車の移動から。既にかなり難儀をしたが何とか畑から出すことに成功。畑の資材や機械を回収に来ている地元の年配の人たちと言葉を交わすが、みんな「とにかく上げておけ(回送しておけ)」としか言わない。そうすれば安心ではあるが、いずれまた元に戻さねばならないので面倒。なるべくそのまま放っておきたい。

管理機を回送ている途中で、様子を見に外へ出ていた従兄弟に会う。聞けば2000トンで畑が浸かるかどうかということらしい。下流で降っていないのでまず水が上がることは無いだろう、とも。実は従兄弟の家は桜江町内でもっとも早く浸水する1軒だ。江の川の増水に関しての知見は敏感で信頼がおける。

さて、そろそろまた行ってこよう。水面の下降を確認したら、管理機を置いていたところに1トン車を置くつもりである。こんな低いところに置いて、とまた年配者からとやかく言われそうだが、そこは橋の下で雨が当たらないのだ。1トン車の荷台が木の板のためキノコが生えるくらい腐り始めている。なるべく濡らしたくない。
by tanboya3 | 2010-06-27 17:35 | 洪水

暑すぎるここ数日のこと

最近更新が減っている。とても暇がなかった。

それと前々回のは削除した。私の認識が間違っていたようで、また微妙な問題でもあるので。

連日のあまりの暑さのため、日曜日は2週連続で家族でお出かけ。先週は帝釈峡、昨日は三瓶山と断魚渓。エアコンのない我が家では14時を回った頃から暑くて苦しくなる。暑さから逃げるように出かけて、楽しんでいる。

チビ丸は昆虫や生き物に興味深々で、見つけるたびに、「あー」とか「いー」とか叫びながら追い掛け回している。興味を持った時にタイムリーに見せてやりたい、と思う。カブトムシなども探すが、すぐには見つからない。昔はもっと簡単に見つかったような気もするが。

バイヤーさんや視察などの対応もこなしながら、主に人参の作付け準備が忙しい。日々のことを進めながら、長期のこともにも布石を打っている。

プチ熱射病にもなってくたばったこともあり、ペースは落ちているが無理をしないように力を抜いてやっている。こんな暑さの下では息巻いたところで仕事量は大して変わらんだろうし。やるべき事や分からんことが多くて本当は落ち着かないんだけど。

これからどうなるんだろう、という不安が多いということも、考えようによっては楽しいことだ。
by tanboya3 | 2010-06-26 17:52
梅雨に入っても初めのうちは案外と雨は降らないものだ。毎年天気の記録をしていることもあるが、雨に振り回されるこの時期の農作業のため体に染み付くように記憶している。

昨日からの雨はついに本格的な梅雨になりそうな気配である。可能な畑作業がしばらくは限られてくる。それは同時に様々な管理作業のタイミングを逃すということでもある。このことはある程度は仕方がない。減収を最小限に抑えるために可能な努力をするだけのことで、自然に逆らうことはできないから。

昨日はその典型的な1日。

大豆の雑草対策である1回目の土寄せが畑ごとに順次始まっている。前日夕方の観察では、1枚の畑を昨日中に土寄せしておかなければならないと踏んでいた。そして昨日は午後のうちに雨が降り出すという予報。雨の前にやらねば、この雨は数日は降り続き、今度畑に入れたときには手遅れになっている可能性がある。ということで昨日の11:15に土寄せ開始。40aの変形畑。途中小雨がぱらつき始めたが13:30に無事終了。本降りには間に合った。

間に合った~。腹が減った~。と弁当のある事務所に戻ろうとした時に目に映ったのは他の大豆畑。見てビックリ。何~!!この畑も今がタイミングっぽい。昨日見た時にはまだの感じだったけどな。雨が本降りになってはまずい。仕方がない、やるか・・・。最近朝飯を食べないようにしたので無性に腹が減っている。しかも早朝からの他の作業でかなり疲れている。気を奮い立たせて開始。

15a。14:30に終了。本降りには間に合った。

念の為、次の40aの畑を見に行った。愕然・・・。ここもか~!!たった1日でこんなに変わるものか。これを始めたら2時間かかるぞ。もう無理無理。でもきっと後で後悔する。シベリア抑留に比べたら天国だ。やるぞ!

こんなときでも携帯は容赦なく鳴る。急ぎでなかったらまたにさせてほしい旨を伝えながら進める。

40a。16:00終了。腹が減った~。本降りには間に合った。

しかし今度は覚悟ができている。さらに最後の畑を見に行ったが驚かない。やるのだ!

10a。16:45終了。本降りには間に合った。

ようやくこれで戻れる。機械に乗って移動しながら彼方になってしまった軽トラックに戻ろうとした時に驚愕の勘違いに気がついた。

もう1枚あった・・・。15a。

このときの絶望感。運転席から空を見上げたら空が落ちてきた。さすがにもう無理。あそこは草の少ない畑なのでセーフかも、という期待を込めて確認に向かう。果たして、ここはまだ大丈夫、どころかしばらくは大丈夫だろう。絶妙のタイミングで雨が本降りになってきた。間に合った・・・!ようやく事務所へ戻り弁当にありつけることとなった。

これを書く今日、雨は降り続いている。昨日やっておかなかったらどうなっていたことか。5分10分をケチる典型的な1日というお話。
by tanboya3 | 2010-06-26 17:33 | 作業・技術(大豆)

かなり参っている

だめだ、体が持たん・・・。

疲れすぎていて相変わらず夜がぐっすり眠れない。最近は背中に加え腰がかなり重症で、夜中に腰が痛くてのたうちまわっている。そんなだから疲れも溜まる一方で、今日の作業も踏ん張りが利かず、まだ17時だというのに今しがた事務所へ帰ってきたところだ。

一昨日の暑さの中の作業で、女房共々さすがにへばって気分が悪くなったため、昨日は少し早めに切り上げて2人で温泉に行ってゆっくりした。さあ今日は元気だ!と開始してみたものの疲れの溜まりはそんなレベルではないようだ。

しかし明日も世間は日曜日というのに私は休んでいる場合ではない。どうやら「追われ」始めている。例年より早い雨の到来と、6枚目の牛蒡畑の除草作業が全くの余分で、全てが狂いだしている。本当は朝5時~夕方8時という臨戦態勢で望みたいのだが、最近朝が起きれない。大体毎日5時にしか起きれない。そうすると毎朝6時開始。夕方も8時まではキツイ。大体7時半で上がってしまう。

草取りなら地元に人にでも頼もうかというところだが、今年から会社の土木部門を閉じた関係で全く無駄な諸経費を抱え込んでいるという事情があって、人を雇う予算枠がない。その分、牛蒡が高く売れるのなら人も雇えるが、お客さんにそんなことは関係ないことで通用しない。私が腰の骨を削ってでも賄う必要がある。それしか方法がない。

全てを清算して今年1年の辛抱と言い聞かせて耐えている。最近偉そうなことを書いているが、そんな事情もあるのだ。自分で言うのもなんだが人にはいろいろ事情がある。

いろいろな思いを抱きながら、毎日が精一杯である。憂さ晴らしをして少し元気になった。まだ5時半過ぎ。また畑に戻ろう。あと2時間踏ん張ってもオランダ戦には間に合う。
by tanboya3 | 2010-06-19 17:30 | 経営(全般)

今年の畑

うちでは畑と言えばほぼ牛蒡のことである。他に数種類作付けしているが売り上げ的には牛蒡が断トツなのである。

その牛蒡も栽培が7年目に突入した。この間多くの問題課題にぶち当たり、経営的には全く暗闇だった初期から考えると、何とかここまでやってこれたという思いである。そしてそれは未だに精神的にはギリギリの取り組みで、こんなことを毎年繰り返していては心も体も持たないという危機感を抱いている状況である。収量や労力など、つまり採算について何とか脱皮しなければならない。その課題の一つに除草の問題ということがあった。

毎年これには苦労している。牛蒡栽培でもっとも手間をかけるのは収穫作業ということになるが、春蒔きの作型についても、それに近づく10aあたり約30時間という労力を割くハメになっていた。もっともこれには常時雇用者の段取りの逃げ場というカラクリがあったため一概に数字を眺めても意味がないのだけれど、ともかくこれを何とかしなければ未来はないという悲壮な覚悟を持って今期の牛蒡栽培に取り掛かったのである。

メインに据えたのが「機械がけ」である。しかし牛蒡を専用に想定した機械などではないため、最大の難題である株間の草に対応できない。そういうことでこれまで補助的な使用に限定していたのだが、今年はこれをメインにしてみようとしたわけである。

その結果を簡単に言えば、1、2枚目の畑では稲の苗代の準備と重なってタイミングを逃して失敗。3、4、5枚目ではまずまず成功。6枚目では大失敗。7枚目では成功。8、9枚目はまだこれからである。手取り(道具で削る作業も含む)による除草を10aあたり10時間で抑えられれば成功としてみた。

結論を言えば成功したのは7枚目の畑のみ。しかも6枚目の畑は上手くいっていたと思っていたら草だらけになってしまった。違和感だらけ。こういうのが一番手におえない。しかしシーズン途中でまだ結果は出ていないのだが、この畑を含めて平均をとっても10aあたり15時間は切りそうである。例年の半減、まずは及第点というところか。

実はかなりホッとしているのである。

そして大きいのは成功に向けての大きなヒントを得たこと。7枚目の畑では、あまりの暑さのためイライラしながら、あまりの疲労のため細かい配慮を欠きながらやった。こんなんじゃいかんけどな、などと思いつつも半ばヤケになってやってしまったところ、なんと素晴らしい状況が生まれたではないか。「思い切り」。これが必要だったのだ。もちろんそう単純ではないが、これは大きなヒントになった。さっそく8、9枚目で成果を試したところだが、あいにく本格的な梅雨入りのため今年は確信までは迫れないかもしれない。

昨年、驚異の雑草対策を思いついたと書いた。当然引き続きこれを試すつもりでいたが、昨年の副作用的な失敗である畝間や畝肩の問題への対応策が思い浮かばないままいたら、ずるずるとして段取りの時期を逸してしまった。これはまた来年の課題ということになる。

除草作業のことばかり書いているが、雑草の問題を解決する手段は除草作業ばかりではない。畑の潜在的な草を減らす、あるいは畑の草を除草しやすい草に変えていく、という試みがある。草の種を落とさないという方法がまずの取っ掛かりではあるが、どうもそんな単純なことでは解決しない気がしている。このことに触れようとするとずいぶん長くなりそうだしどう書いていいのか自分でも良く分からない、そんな感じのことではある。

「土」。昨年はこれについて大きな教えというか見方をいただいた。何事もトータルに考える必要がある。何かの課題に対して対処的に取り組むことは必然ではあるが、それだけではいけない。自然界はそんなに単純ではない。ということは以前から念頭にあったが、だからどう複雑なのかが分からない。しかしいただいた教えというか見方は、なるほどそういうことか、という大きな示唆になるようなものだった。

私の有機農業に対する考え方は大きく転換しようとしている。私の有機農業は間違っていた。有機JAS制度制定以来、来たるべくして来た、近年ちまたをバッコするようになった栽培方法に大きな違和感を覚えていたが、ようやく確信を持って決別して行くことができる。「また変わるのか。」「自分というものがないのか。」などと言われれば肯定するしかない。少しでも「自然」に近づきたい、寄り添いたい、それを求めて漂っているのが私の「自分」であるような気がする。

地上部の葉っぱばかりを眺めていても分からないが、今年の春に蒔いた牛蒡は例年になく調子が良さそうだ。しかし今年1年の結果でウンヌンするつもりもなく、これから数年かけてT地区の畑の土を変えていくのだ。いや正確には変わっていくのを眺めていく、というところか。「人間は何もしてはならなかった」という思想。しかしあくまで畑として管理を伴いながらその中で経営と折り合いをつけていく。

伝統ある牛蒡栽培地のT地区。今や私以外の牛蒡生産者はお年寄りばかりが数名。悲壮な覚悟を持って望んだ今期の牛蒡栽培であったが、今では栽培が少し楽しくなっている。そして私が本当に楽しめるようになったとき、きっと次の展開がやってくるだろう。この地に抱かれて暮らしてきた今は亡き人々や御先祖様の末端に存在する私にできることといったら、こんなことである。そういう視点で今年の畑を眺めやったとき、今になってようやくこの地が、畑が喜んでくれているように見えるのである。
by tanboya3 | 2010-06-18 17:29 | 作業・技術(ゴボウ)

バイオリンの先生

朝、江の川がもたらす霧がはれると素晴らしい青空につつまれる。周囲の山々の美しさ。朝日は既に結構高い。この時間の畑はとても清々しい。

農作業の合間に、この山々を眺めながらよく思うことがある。山あいのこの地に抱かれて一生を送った今は亡き人々の人生。

私は小学生の頃バイオリンを習っていたが、今日は無性に先生夫妻のことを思い出した。先生は昨年の今頃亡くなられ、奥さんもその後間もなくひっそりと後を追われた。

お世話になったのはもう30年も前。毎週日曜日のレッスン。自転車の荷台にバイオリンを積んで、行きはチンタラ道草食いながら、帰りは揚々と。片道5キロの道のりを通ったものである。

1時間くらいのレッスンの後は決って奥さんが紅茶を入れてくれた。

今の農業を始めて、たまたま農業倉庫を先生の家の近くに建てた。毎日先生の家の前を通るのに、近くだとそんなものか、そのうちご挨拶に行こう行こうと思いつつ失礼していた。

あるとき、夫婦で手を繋いで、にこやかなお揃いの笑顔で散歩をされていたこともあった。その時も何となく声をかけられなかった。

どうして声をかけられなかったのか。近くに戻ってきたのに顔も見せない教え子。「塩田先生!」の一言できっと喜ばれたことだろう。

播種機に緑肥の種を入れる手を止めて、新緑がまぶしい山々を眺めた。小学生時に聞いた先生の人生体験などを断片的に思い出す。この地に抱かれある時代を駆け抜けて逝かれた先生。車のルームミラーに移った夫妻の笑顔の散歩姿が脳裏から離れない。

「先生!」と叫んでみたが、ただ目の前の山々がまぶしいだけであった。

(※後年追記)2012年3月より、私が先生の自宅を購入し住んでいる。

by tanboya3 | 2010-06-12 17:28 | 思い出

体がまずい

休憩もロクに取らず動き回る日が何日も続くのは5年ぶりくらいか。もちろん休憩を取らないのではなく、取れない。5分くらいの小休止はもちろん取っているが、15分も休むことはない。農地が数地区にまたがり、機械の回送および作業機の付替えなどを頻繁にやるため、その日をキリのいいところまで進めねば、いとも簡単に15分のロスが1時間のロスに変わってしまったりする。そして1時間のロスが平気で数十万の減収を招いたりする。これまでにそんな痛い目に何度もあってきた。

しかし、今日は昼飯を食い終わってのん気に書いている。さすがに体に不調が表れている。持病の右背中痛は相変わらずだが、最近では寝返りが打てない。何気に打つと激痛が走って困っている。そして夜が眠れない。疲れが程々の時はぐっすり眠れるものだが、それを通り越すと逆に眠れなくなる。その他、首がつり出したり、肩の関節が外れそうな傷みが続いたりなど、細かい症状も多い。だから少し休憩を入れることにした。今倒れてしまうより、いくらかの減収の可能性を飲むほうが得だという判断。

これだけ無理して動いているだけあって、今年はまだ追われていない。追われないように頑張っているのだ。追われるとはどういうことかというと、「もぐらたたき」で1頭を失敗すると次の瞬間から2頭ずつ出てくるという感じ。こうなると確実に1頭はたたき逃すので、次は3頭ずつ出てくる。一気に緊張の糸が切れてゲームオーバー。こんな「もぐらたたき」をやっている気分。これが今のところモグラが出てくる速度は極めて上がっているが、確実に1頭ずつ叩いている状態。

さて、大豆の種蒔きの続きをやってこよう。まずは急いで大豆と緑肥の種蒔きを終わらせたいところ。種蒔きをしようと数日前に畑を耕うんしてきれいにしてある。この種蒔きが遅れると、せっかくきれいにした畑にまた草が生えてきて、また耕うんしなくてはならなくなる。一口で耕うんといっても数ha規模だ、昨年はこれが追われ始める発端になった。

例年ではそろそろ牛蒡の収穫が始まる頃だが。今年は成長が遅い。それが助かっている。

メールの返信をしなきゃならんのがたくさんあるのにしていない。すいません、バテていてとても頭を回すことができません。予定では雨の予報がある数日後に一斉にご連絡するつもりです。どうしてもお急ぎの人は再度催促して下さい。
by tanboya3 | 2010-06-10 17:27 | 作業・技術(その他)

はんだ牛蒡ブログアーカイブ。月1回更新。日々のブログは、http://handa-shizensaibai.jp/          


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