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三江線を偲ぶ

JR三江線が廃止になって今日で1週間。生活は何も変わらないが、田津の畑から今後はまったく汽車を見ないのだという事実が、何やら不思議である。

私は廃止賛成の立場で、もっと早くに廃止するべきだったと思っているが、三江線への思い入れはあった方だろう。私は田津のオカタ谷で生まれたが、2~5歳のころは川越駅前に住んでいた。毎日のように汽車を眺め、駅の敷地で遊び、汽車と競争したりなんかもしょっちゅうしていた。当時はまだ蒸気機関車も走っていたので、私が書く絵といったら煙をもくもく吐く汽車ばかり。そんな記憶もはっきり残っている。

汽車に乗って江津駅前の「トーワデパート」へ行くことは当時の最大の楽しみであった。5両くらい繋がり、ずらりと並ぶ満席のボックス席。通路に立ち、こっちが右でこっちが左、などとお袋が「向き」について私に教えているシーン。トーワで買ったおもちゃを窓枠に置いた手に持ったまま眠ってしまい、手を放した瞬間目が覚めて、鉄橋の下へおもちゃが落ちていくのを眺める悲しさ。

中学3か年は、川越~川戸間を汽車で通学。帰りの時刻に間に合わず、300m手前くらいから手を振って走る。すると運転手さんによっては待ってくれる。帽子を脱いで一言お礼を言い乗り込んだあとの安堵感といったらない。何せ、次は2~3時間後なのだから。

ラストランの3月31日は、もう三江線廃止を偲ぶためだけにあったような素晴らしい日だった。空は晴れわたり、暖かく、無風。例年にない早い開花で桜は満開。草取りマラソンに行った夕方、畑から下り列車を見送る。手前は緑肥が芽を出したばかりのうちの畑。
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最終列車は家族で見送りに。次男が喜ぶ踏切でまずは見送った後、田津駅停車の間に車で追い抜いて、オカタ谷前で桜並木越しに走る列車にみんなで手を振った。きっと私が幼な子の頃、この辺りからこうして汽車を見ていたのだろう。いよいよこれが最期か、と思って感慨深し。

見上げると満月。どこまでもラストランのためにあるシチュエーションであった。

by tanboya3 | 2018-04-07 16:04 | 思い出

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