洪水と共に歩む

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川の水は汚いか

こんなときに、今日は朝からJASの年次検査。うちでは例年9月に受けるものだが、今年は洪水と時期が重なったのでややこしく、この時期にずれ込んだのだ。余談として検査員の方からも冠水に対する私見を伺い、改めて現行の不思議さを思う。

先週、JAS制度に深く関わる人の話を聞くことができた。その人によると、国は、洪水時の川の水が汚いと言っているのではなく、慣行圃場を舐めてきた水が有機圃場を流れることを問題にしているのだという。慣行圃場を舐めてきた水ははたして有機栽培に問題があるほど汚いのだろうか。

川の水とは、はっきりいって汚い。大雨の時がではなく、普段がである。江の川だってそうだ。水量が少ないところの例をとるとわかりやすい。

この近くに、「断魚渓」 「千丈渓」という名勝があるが、風光明媚な景観に反し、そこを流れる水は強烈に汚い。水はよどみ泡がぶくぶく浮き、薄っすらと臭いさえする。それは両者がこの上流に邑南町の大農業地帯を抱えているからである。広大な農地の末端にこの狭い渓谷があり、農地に撒かれた物質はすべてこの細い流れとなって通過するからである。我が国の水質汚染の原因は工業廃水などではなく、一番が農業排水だそうである。

川は上流からの農業排水を集めながら下流へ流れる。田んぼの多くは、引き入れる水の多くは川の水であるのだが、うちの田んぼへ引いている水もそうだ。見た目はきれいだが、あの千丈渓の水も含まれている。うちの米なんか食わん方がいいよ。上流の農地から押し寄せる肥料分や農薬まみれの水で育ってんだから。(もっとも季節的なことはあるが。)

しかし大雨の日。川の水は山の土で濁っているが、その大部分は雨水だ。この度の洪水などは雨水によって普段の水量の何百~1000倍にもなっている。そして問題はここから。その水が上流のどこかで慣行圃場を舐めてきたからといって、だからなんだというのか。

断魚渓の普段の水と、このたびの大雨時の水をコップにとって泥を沈殿させたもの、のどちらを飲むかという選択を迫られたら、それらの水を前にすると前者を飲むという阿呆はいまい。

そんな普段時の状況でも、有機JAS法では普段の川の水を田んぼに引くことを認めている。まあ、そうしないと源流の田んぼでしか有機農業できんから仕方がないだろうが、そういう妥協がある一方で、なぜ洪水時には不思議な規制を強いるのか。

やはり冠水の問題は、冠水したかどうかということではなく、周辺圃場からの土砂の流入を問題にするべきである。田津地区も、圃場によって状況は様々である。隣接慣行圃場の土が明らかに流入して堆積している場合がある。有機JASとは申告制で成り立っているのだから、JAS取得者とはこういう圃場は申告をするものである。少なくとも私はする。

そして明らかに竹やぶ越しに本流からの泥の流入しか認められない圃場もある。周辺慣行圃場を見ても、トタン板で囲んでいたり草を生やしていたりして、表土が流れ出ていない圃場が圧倒的に多い。これでうちの有機圃場や作物が汚染されたといえるのだろうか。

こういう視点で見ると、今回申告した冠水圃場17haのうち、問題のある圃場は1haのみ。1haのみを申告すべきと考える。
by tanboya3 | 2013-10-16 14:46 | 有機JAS

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