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はんだ牛蒡ブログアーカイブ

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冬の作業と経営

冬の時間の使い方を、経営の中でどう位置づけるかを、今の農業を始めて以来ずっと考えてきた。ここは山陰。冬の天気の悪さということがある。田畑に入って作業をすることが簡単ではなく、作付けも限られる。

冬はできればゆっくりするということには憧れる。夏にしこたま動いて、冬はのんびりする。理想である。そうすればいいじゃないか、と簡単に言われることもある。それで生活できればそうしたい。つまり冬にのんびりしてもそれなりの年収を上げるということである。今考えれば、それも不可能ではないなとは思う。しかし経営には成り行きがある。それを無視することは不可能である。

農業を始めたとき、無茶をしようが無理をしようが、とにかく食っていけるという事実が欲しかった(→)。 その事実が得られれば、そこから創意により無理を少しずつ削っていって安定軌道に乗せようと考えた。いろいろな考えがある中で、たまたま私はこう考えた。

そのときに冬の時間の有効利用は至上命題。冬に暇では、夏の利益(もままならないのだが)を食い果たしてしまう。当時は常時雇用もいたのでなおさら。何かを作付けておくというだけなら、裏作の強い味方である麦もあるし、当時は大麦若葉なんてものを主流にやっていたので困らなかったが、これらは冬にやることがない。作付けてはいるが作業がない。「麦踏み」くらいのもの。これでは話にならないということで、死闘を繰り広げた挙句、今やっているゴボウのトンネル栽培に「運よく」行き着いた。これなら冬の草取りが欠かせないし、その労賃を十分ペイできることが分かった。ここまでに3年を費やした。

今の草取りマラソンの苦労は、押し付けられたものではなく、獲得したものなのである。

しかしながら、だからと言ってめでたしと簡単にはいかない。ゴボウが軌道に乗るにつれて販売にかかる手間も増えてきた。洪水の脅威とそれにともなう経営全体の対策も数年ごとに変わってきて、冬のウエイトが上がってきている。それに加え、これまた洪水になりにくい地区を求めた今田地区での展開と、他の作物の栽培や販売事情に強いられている様々な「試し」が冬に押している。さらにダメ押しで、常時雇用のいない今の体制。もう冬は十分に忙しく、当初の唯一の作業である麦踏みはできない状態。

このままではいずれクタビレてしまいそうなので、もう少し何とかしたいものだが、成り行きで増えたものは急には減らせない。少しずつ進めるしかないが、来期もすでにいくつかの改善点が浮かんでいる。そのうち良くなっていくような気はしている。

by tanboya3 | 2013-01-23 10:06 | 経営(作型・作付け体系)

およそ月1回更新。日々のブログは、http://handa-shizensaibai.com          


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