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はんだ牛蒡ブログアーカイブ

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田津地区への執着

昨日の補足。

田津地区では、しつこい洪水のせいで耕作者が減っている。2004年に私が耕作を始める際には、30haの田津地区のうち10haくらいが高木が生い茂る放棄地だった。行政からお金(税金)をもらって、そのうち7haくらいを畑に戻して農業を始めた。

その後、自分のところもやって欲しい、という要望に応えて集積してゆき、今ではうちが11haあまりを管理している。他の、確か同じくらいの面積を「桑茶」を生産している会社が桑の木をメインに植えているから、残り数haを地元の高齢者が耕作しているか、もしくは遊休地ということになる。

おそらく数年後には地元の高齢者はほとんどいなくなり放棄地が増える。そこをうちがさらに借り受けるということを期待している人はたくさんいるけれど、私もすでに一杯一杯。むしろ面積を縮小することを考えている。一杯一杯の理由にはいろいろあるが、大きなものの一つが、洪水による経営のダメージが大きいということ。せっかく良土を維持してくれている洪水が、うちにとっては経営的デメリットになっているということ(まあ普通はそうだが)。つまり洪水と共存ができていない。

それではいつまでも安定した経営は望めない。これから年を取って体力が落ち、作業機械の更新を順次迎えていくというときに、こんな不安定なことをしていてはいけない。田津地区の畑のポテンシャル・・ゴボウが抜けないほど長く育つような・・が野菜に形を変え、それを少しでも多くの人にお届けするには、安定して永続的な経営をしていかなければならないのだ。

なぜ田津地区にこだわるのか。私の故郷だということもあるが、正直なところ始めは仕方がなかった。ここしかなかったのだから。しかし畑で学ぶうちに考えが変わった。とにもかくにも本当に美味いゴボウが育つのである。それは特に無肥料自然栽培の優越性をいともストレートに示してくれる。よく分からないが、おそらくうちで栽培された自然栽培ゴボウは、今まで放り込んできた肥料分が残っているという問題はあるが、それらが完全に吸い上げられて完全に抜けたとき、よほど体にとって有益(害のない)な食べ物なのではないかと思っているのだが、どうだろう。田津地区の畑とはそういう素地であると考えているのだ。こういう土地はそう簡単には、ない。だからとてもこの地を離すことなどは考えられない。

洪水との共存を為しうる上で、何か一つでも柱ができれば、それをベースにいろいろな可能性が展開するのではないかと期待している。もっともそれは既に私の生きている間のことではないかもしれないが、これまでの田津地区の歴史をみても、・・・というより人間として・・・、このくらいのスパンは仕方のないことであろう。
by tanboya3 | 2012-07-13 16:54 | 経営(作型・地区)

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