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はんだ牛蒡ブログアーカイブ

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今年の有機稲作のヒント②

昨日の大豆後圃場の現在の写真がコレ。初めのが上手くいった1枚。次のが散々の2枚のうちの1枚。

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今日はそれ以外の圃場について。2年前と3年前にコナギが芝を張ったように繁茂しロクに稲が出来なかったが、昨年はほとんどコナギは生えず、まずまず成功した田んぼがある。この田んぼはところどころ深いところがあり(3年前には田植え機をひっくり返したことがあった)、冬の間も春先も土が乾かずジュクジュクしている田んぼだ。今年は用水の水不足で水管理が満足に出来なかったためコナギも結構生えたが、稲の出来が意外といいのだ。そしてこの田んぼ、今年入れた窒素分を含む資材は、1月に自家製のボカシ100㎏、田植え同時に米ぬか30㎏、くず大豆8㎏、追肥として7月初めに市販のボカシペレット20㎏(N換算1.2キロ)だ。その写真がコレ。

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以前「冬季湛水」をした田んぼがあったが、耕うんしなくても春までには稲わらはボロボロに腐り、代かき時には既にイトミミズやゾウリムシが大発生していた。稲の生育も、普通に管理して収穫前に倒してしまったので、そもそも肥料が少なくてすみそうな気がした。写真のこの田んぼ、「冬季湛水」ではないが、それに近いものがある。有機稲作の最終目標は、田んぼに肥料を極力入れずに、微生物などの働きを借りて自然の循環で稲を育てることにある。その一つの鍵が「冬季湛水」ではないか。しかしコレが出来る田んぼは水利の条件が限られるので、なかなかないのが実状だ。

それと今年確信した大きなこと。「ワラはコナギを呼ぶ」ということ。稲刈りの時にばら撒いた切りワラや稲株を、春先に耕うんし土と混ぜる。田植え後、たいがいコナギだらけになる。また、秋にコンバインを“ぬかるみ”にハメながらグジュグジュで稲を刈る。次の年、たいがいコナギだらけになる。なぜ稲刈り時にコンバインで苦戦すると次の年にコナギが猛威を振るうのか、長く疑問だったが、それは稲ワラが深くに入ってしまい、腐らずに翌年の「ガス湧き」を引き起こしているためだ。この「ワラがコナギを呼ぶ」ということ。試しにワラを田んぼから全て持ち出してみると良く分かる。

といっても、ワラが直接コナギを呼んでいるかどうかは分からない。ワラが土の中で「ガス湧き」を引き起こし、稲の根が弱ってアレロパシーが弱くなっているという理由が極めて大きいだろうが、我々お百姓さんにとって原因はどっちでも良い。

腹が減ってきたのでそろそろ終わるが、①秋のうちに如何にワラを上手く腐らせるか、②「2回代かき」を如何に上手くやるか、③健苗を如何に育てるか、これが有機稲作の成功のための大きな大きな要点になると確信している。
by tanboya3 | 2008-07-28 05:41 | 作業・技術(水稲)

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