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はんだ牛蒡ブログアーカイブ

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地図の隅の赤丸はどちらへ移動するか

前回弱気なことを書いたが、一方では、立て続けに褒められることがあって、大したネタではないのだが最近気分がいい。こんな歳になって、いくら見切ったつもりになっていても、人間だからそんなものではある。何かとくたびれている時分だから、ありがたく余韻に浸って活力にしたい。
 
世の中には様々な生き方や職種があるが、土に向き合うことで生計を立てている今の生き方というのは、私にとっては当たり前のことでも、ほとんどすべての人にとっては極めて珍しい生き方なのだということに、農道をぽつぽつ歩きながら気が付いた。農業者ですら、そのほとんどが土と向き合おうとしなくなった現代だ。私らのような人種は人口比でいうと0.0何パーセントということになるのかどうか。しかしこの珍しさは、新しさということではない。かつて多くいて、今では希少になったということに過ぎない。言うなれば我々は「生き残り」である。
 
生き残りの希少種は、感心のある人たちによってあちこちで「発見」される目にあう。きっと私はその1人であるに違いない。世の中の自分の立ち位置を、大きな立て看板地図の中の「現在地」表示に照らせば、今はまだ看板の隅の方にかろうじて赤丸が乗っかっているような不自然な地図であるに違いない。そしてこの赤丸は圏外に去るのか、それとも地図の中ほどに向かって移動していくのか。
 
その答えは、世の中の流れが決めることではあるだろうが、また同時に希少種である我々の地味な努力によっていくらか結果が変わるだろうということを認めざるを得ない。私が褒められて気分がいいこの数日とは、そういうことを実感する数日になっている。じゃあこの努力というのが、これも何か見えてきた気がしていて、強いて言うなら、あえて半歩しか進めようとしない行為と、おもてなし(笑)、というところか。つまりは地味に生きることに他ならないのだが、その中で、要するに「間合い」というものが大切だということを痛感している。
 
しかしこの間合いというやつは体で覚えるものであって、頭で覚えるものでは決してない。だから粛々と経験を積んでいかねばならない。そして、さあ今日からまたそんな日が始まるか、と思うと、日々はつまらなくても、人生は楽しい。とりあえず赤丸がどちらへ移動するかというこの上もない楽しみを抱いて、明日からさっそく辛くつまらない日々を過ごしてみる。

by tanboya3 | 2017-09-01 11:57 | 生き方

およそ月1回更新。日々のブログは、http://handa-shizensaibai.com          


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