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はんだ牛蒡ブログアーカイブ

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有機JASの洪水問題が今さら終止符

昨日は有機JASの年次検査。うちのように、非有機栽培がなくて、肥料の使用がわずかで、かつ一部の圃場に限られている経営では、検査も楽らしい。これはこれまでにも検査員に言われてきたことだ。
 
この制度があまりにも虚しく、くだらないものだということはこれまで何度も書いてきた。しかしお客さん(バイヤーさん)が求める以上は認定を受けざるを得ない。そして受けること自体は、すでに記録や管理に慣れきってしまった私らにとっては簡単なことである。
 
しかしこれまでに、洪水のたびに散々JASに振り回されてきた。このことについてのあまりの理不尽と不条理を何度も書いてきたが、昨日の検査で、資料を私に見せながら検査員さんがビックリするようなことを言うではないか。
 
なんと災害要件が削除されたとのことである。つまり今後は洪水によって慣行圃場をなめてきた水に冠水してもJASを取り消すことはありませんよ、ということになったのだという。
 
あまりに驚いた。というのも、逆に昨年はこの要件はむしろ厳しいものになっていたからだ。それが1年で「なし」になった。どうしてこうなったのかを聞くと、昨年から世間を賑わせている有機肥料の偽装問題が発端だとのこと。有機JASはこれまで「定性性」ばかりを重視してきたが、「定量性」にも目を向けたということらしい。つまり超微量で無視できるものはOKにしようということ。
 
それにしてもひどい目に遭ってきたものだ。10年近くも前、命を懸けて始めた今の農業が、このお役人らの言葉遊びによってあっけなく葬り去られようとしたとき、敢えて違反を犯して世間に訴えようかと思いつめたこともあった。最近ではそこまでの事態には陥らなくなったが、つい2年前にも予告もない突然の格下げのお達しがあり、大変な労力を強いられるハメになったと同時に、当然バイヤーさんや卸し先の方々を振り回すことに。それだけに、JASがこうやって少しでもまともな方向に行くことがあるのか~という妙な感慨。「反田さんは随分長い間振りまわされてきましたねえ。」と検査員さん。
 
洪水時にうちがJASで振り回されるたびに、トンチンカンで悲しいことを言っていた方々、いいですか、物事は何事も定性に加えて定量的な視点でも見るのですぞ。
by tanboya3 | 2016-08-10 05:13 | 有機JAS

およそ月1回更新。日々のブログは、http://handa-shizensaibai.com          


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